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2024年4月1日

義民とは、民衆のために尊い身命をなげうった人のことで、主に江戸時代の百姓一揆の指導者として、徒党を組んだり越訴を企てたとして領主から処罰されたものの、民衆からはかえって敬慕されたものを指しています。
歌舞伎や講談、浪花節などにも採り上げられた佐倉宗吾のように、祠堂が建てられ、諡(おくりな)を付けられた場合もありますが、墓さえも禁止された場合には、稲荷や地蔵などに仮託することによって、その霊魂をなぐさめました。

お知らせ

このサイトの利用に当たってのご注意

このサイトに掲載されている義⺠に関する伝承は必ずしも史実とは限らず、後世による脚⾊が含まれていることがあるほか、伝承そのものにもいくつかの異伝を伴う場合があります。
また、本文のうち特に百姓一揆の呼称・日付や参加者数については、典拠とする史料や学説によって、大幅な異同が生じる可能性があります。

史実の探求を目的とされる場合は、それぞれの項目に掲げる参考文献をまずはご確認の上、ご自身で判断されるようお願いいたします。

百姓一揆義民年表について

近世を中心とした歴史的に重要な出来事、百姓一揆やその顛末を編年でまとめた 百姓一揆義民年表 のページを作成しております。年表内のリンクをクリックすると、その出来事にゆかりのある義民を紹介しているページにジャンプします。

写真の掲載について

このウェブサイトで紹介している義民伝承地は、その性質上、墓地や刑場なども多く、これまで積極的に写真を公開しておりませんでした。しかし写真がなく現地の様子がわかりにくいとのご指摘もあるため、今後は遺跡の写真を掲載することといたしました。

なお、 義民の史跡カテゴリ の各ページ中、タイトルに掲げる以外の遺跡(「関連する他の史跡」の項目に掲げる遺跡)については、ウェブサイトの構成上、補足としての扱いにとどめています。

所在する場所や意義などの詳細は冊子版又は電子書籍版の『義民のあしあと』 東日本編 中日本編 西日本編(冊子版はいずれも国立国会図書館東京本館に配架されています。)の該当ページをご参照ください。

サイトのあゆみ

2016年8月 サイト開設(「http://welfare.so-good.jp/gimin/」に公開)
2023年3月 URL変更(「https://righteous.travelogues.info/」に移転)
2024年4月 URL変更(「https://gimin.travelogues.jp/」に移転)

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江戸時代の一揆の件数と性質

江戸時代を通じて発生した百姓一揆の件数は、『百姓一揆総合年表』によれば、およそ3,200件(天正18年から慶応3年までで3,212件)に達するといわれます。一揆の件数は「享保の改革」が行われた享保年間以降、特に享保の飢饉・天明の飢饉・天保の飢饉といった「江戸三大飢饉」の後に増加し、慶応2年(1866)にピークを迎えます。

年次別一揆件数のグラフ(天正18~明治10)

教科書的な理解としては、江戸時代前期の17世紀には村役人が村を代表して領主に窮状を直訴する「代表越訴型一揆」、中期の18世紀には村人すべて、あるいは複数の村が協力して領主に年貢減免を強訴する「惣百姓一揆」、後期の19世紀になると社会全体の変革を目指して本百姓・水呑百姓らが村役人と領主の双方に強訴・打ちこわしで対抗する「世直し一揆」が盛んになるなど、時期によってそれぞれ性質が異なるといわれています。

もっとも、近年ではこのような発展段階論で単純に説明できるものではないとする議論が優勢です。初期の「代表越訴型一揆」で活躍したとされる義民をとってみても、史実としての裏付けがなく、明治時代の自由民権運動の中で作り出された、比較的新しいイメージである可能性が指摘されています。今後とも研究の深化によって、これまでの通説が書き換えられる可能性があります。

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    このページの執筆者
    村松 風洽(フリーライター)